「就職はいつでもできる」は間違い
就職活動がうまくいかない人に対して、「就職なんていつでもできるんだから若いうちはいろいろな経験をした方がよい」とアドバイスする人が時々います。
ちょっと偏見があるかもしれませんが、そうしたアドバイスをする人の多くは就職をすることがそれほど難しくない時期に青春時代を過ごした人のようです。
もしくはITバブルの時期に起業して成功した富裕層の人が同様のことを言うのをよく見かけます。
確かに就職をすることだけが人生の目的ではありませんから、新卒で絶対に就職しなければそこで人生おしまいというわけではありません。
しかし時代背景は人の生き方に大きな影響を与えるものなので、無責任なアドバイスをする大人の人が経験してきた時間軸と現代を一緒に扱うのは間違いです。
新卒で就職活動をせずにまずはアルバイトからスタートさせたような場合、その後将来的に安定した仕事をしようにもそもそものスキルや人脈がないのでその後の就職で著しく不利になってしまいます。
また今後数十年という時間が経ったときにはまた環境が変わるかもしれませんが、少なくとも今現在においては新卒で就職活動をしないという生き方の選択はあまりにもリスクが高いものと言えます。
「好きなことを仕事にする」という言葉に惑わされない
いつ頃からか知りませんが、世の中に「好きなことを仕事にすることこそが幸せ」というような雰囲気が流れてきました。
確かに自分が好きなことや得意なことを仕事にすることができれば幸せなのでしょうが、だからといって好きなことだけをしていて仕事を成り立たせることはできません。
またその仕事を選ぶ時点で知っている世界が非常に狭いというときには、他の選択肢を知らないまま「自分はこれが好きでこの分野でしか仕事ができない」と思い込んでしまっている可能性もあります。
人の可能性というのは不思議なもので、それまでまったく興味がなかったはずのことも続けてやっていくうちに面白みを見つけることができるということもあります。
「好きなことを仕事にする」ことはできなくても、「仕事にしていくうちに好きになる」ということも十分にあります。
ですので新卒の時点で好き嫌いを自分で思い込み、それができないなら就職をしないという選択をすることはある意味自分で自分の可能性をつぶしてしまっていることにもなります。
とりあえず新卒で就職してから転職を考える
新卒で就職をしたなら、できるだけ長くその仕事を続けていくことを考えます。
一番よいのはその企業で長く仕事をして安定的にキャリアアップをしていくということです。
ですが新卒で仕事をしてみたけれどもどうしても自分に向いていないと感じたり、業務的にまったく将来性が感じられないというようなこともあるでしょう。
最悪の場合には人材を使いつぶすブラック企業が新卒の就職先だったなんていうこともあります。
もしそうしたどうしても続けられないと感じられることがあったら、それはそのときに考えればよいのです。
一旦退職をして第二新卒として就職をしてもいいですし、将来的に転職をするのだと思って割り切ってお金を貯めるための仕事をしていくというのもいいでしょう。
しかしそれも最初に新卒で仕事をしたという実績があってこそ生かせることです。
まずはやらない理由を見つけるのではなくとにかく社会人としてデビューすることを目指しましょう。