Q.通訳や翻訳の仕事に就くための進路を教えてください
現在高校生です。
私は中学生の時から英語が得意で、将来的にはより多くの言語の勉強をして語学を使った仕事をしたいと考えています。
そこで進学をするところはそうした語学の専門職に就けるようなところにしたいのですが、具体的にはどういった学校の専攻をするのがよいでしょうか?
また通訳や翻訳の仕事というのはどこか特定の企業に勤務をするということはできるのでしょうか?
語学力があることと仕事をするための能力は別だと思うのでいきなり卒業後からフリーランスとして仕事をするというのはかなり厳しく思います。
さらに翻訳家や通訳としてのキャリアにはどういったルートがあるかということも教えてもらえれば幸いです。
A.まずは語学系の専門コースに進みましょう
通訳や翻訳の仕事というのは、海外との取引のために英会話ができるといったことではなく、語学そのものを仕事にしていくためかなり高いレベルでのスキルが必要になります。
英会話レベルであれば自分が聞いたり読んだりしたときにその内容を理解することができれば十分ですが、通訳・翻訳では内容の理解だけでなくそれを別の人に伝えるという役割をしなければいけません。
ですので仕事をしていくためにはまず基礎的な語学力を十分に高めるとともに、さらに将来進みたい分野の用語に慣れる訓練をしていく必要があります。
日本語にしてみても、例えば工業系や法律系、IT系などで使われる単語や言葉は大きく異なってきます。
通訳や翻訳を仕事にするならそうした専門分野のどれかに特化した能力を身に着ける方がよいといえます。
語学専門の進学先としては大学の語学系学部や国際関連学部などが代表的です。
短期大学や専門学校でも通訳や翻訳者のためのコースはありますが、より本格的に学ぶならできるだけレベルの高い大学にすることがおすすめになります。
語学教育に熱心な大学になると在学中に交換留学など実際に現地で語学を学べる過程を用意していたりするのでそうしたものを利用するのも便利です。
就職先としては翻訳・通訳事務所はあまり数は多くなく、最初は貿易や航空系の企業に就職してそこで書類や通話の担当をするというのがほとんどです。
まずは通訳や翻訳そのものではなく、業務の中で自然に多言語を扱う仕事をしていくことを目指してみてください。
そこである程度語学力が身に着いたと感じたら翻訳を通訳を扱う業者に登録をするなどして少しずつ仕事を増やしていくようにしてください。
専門職としての就職はかなり厳しいです
晴れてフリーの翻訳者や通訳者となれたとしても、その先もかなり厳しい道のりが待っています。
というのも事務所単位で翻訳や通訳をするというところは非常に少なく、ほとんどの人が個人事業主としてコネを使って仕事を受注していくことになるからです。
具体的な仕事としては輸入製品の説明書や、外資系企業での会議の議事録を書き起こすといった作業などです。
通訳の仕事としてはホテルなどに勤務をしてガイドの仕事をしたり、旅行添乗員となったりする方法があります。
いずれにしろ仕事は自分で見つけていくという実力主義の世界になるので、就職をするときから将来どういった方面で活躍したいかということはしっかり意識しておいた方がよいでしょう。